目覚めと共に夏の終わりはペンキを剥がすように起こった。
投稿者: GUEST
普通の恋愛
32度。まだ6月だというのに馬鹿みたいな暑さで支配された街の、あんまりエアコンが効いていない喫茶店のせいで、960円も出して注文したアイスカフェラテの氷は跡形もなく液体に溶けている。
天使の遊ぶところ
パチンコ屋の前に座り込んで1ミリの煙草を吸っていたアヤネの爪には彼氏の成人式のために大金を払って塗ったネイルが残ったままだった
昼のような夜、夜のような影
紙飛行機は、教室の中で空気を裂きながら飛ぶ。両翼は空調から流れる冷風をはらんで、生徒たちの頭上を滑空していた。
この一打に定むべし
イチ、ニ、サン。少年は開脚姿勢で座った父の背中を「サン」のタイミングでゆっくりと大きく押し込んだ。